ボンドNdFeB磁石

概要

製品仕様

ボンドNdFeB磁石は、射出成形（複雑な3D形状、最薄0.5mm）、圧縮成形（高磁気特性、よりシンプルな形状）、押出成形（長尺ロッド／チューブ）など、様々な形状で提供されています。一般的な磁気仕様は、残留磁束密度（Br：0.6～1.1T）、保磁力（Hcj：600～1600 kA/m）、最大エネルギー積（(BH)max：6～18 MGOe）、動作温度（バインダーによって-40℃～150℃）です。物理的仕様は、密度（5.0～6.1 g/cm³）、硬度（ショアD 70～85）、許容誤差（射出成形の場合±0.05mm）です。

製品グレード

グレードは、磁気性能と耐熱性によって分類されます。一般的なグレードには、QP-10/5（低コスト、汎用）、QP-15/7（中性能）、QP-20/9（高性能）、HTグレード（耐熱性、例：120℃動作のQP-18/120）などがあります。メーカーによっては、BMF-12H（12 MGOe、120℃）のように、(BH)maxと最大動作温度を示す独自のグレード体系を採用している場合もあります。等方性グレード（最も一般的）は多極磁化が可能ですが、異方性グレード（より高度な特性）は成形時に配向処理が必要です。

コーティング

結合型NdFeBは、磁性粒子をポリマーバインダーで包み込むことで耐食性を高めており、追加コーティングの必要性を低減します。ただし、過酷な環境下では、オプションの表面処理として、エポキシ塗装（耐薬品性向上）、ニッケルメッキ（耐久性向上）、パリレンコーティング（医療機器／電子機器の薄く均一な保護）などが挙げられます。バインダー自体（ナイロン、PPSなど）が主な腐食バリアとして機能することが多く、塩水噴霧耐性は配合に応じて500～1000時間です。

適用範囲

ボンドNdFeB磁石は、電子機器（ハードディスクドライブ、プリンター、カメラモジュール、センサーなどのマイクロモーター）、自動車（ABSセンサー、燃料噴射装置、ダッシュボードモーター、HVACシステム）、消費財（玩具、電動工具、マグネットクロージャー、ヘッドフォン）、医療機器（小型ポンプ、外科用器具、補聴器）、産業機器（リニアアクチュエーター、ロボット、エンコーダー、磁気カップリング）など、幅広い分野で使用されています。複雑な形状に成形できるため、小型化・統合化された部品に最適です。

パッケージ情報

梱包には通常、以下のものが含まれます。小型部品は、傷や静電気による損傷を防ぐため、帯電防止プラスチックトレイまたはブリスターパックに梱包します。バルク品は、湿気を抑えるため、乾燥剤入りの密封ポリエチレン袋に梱包します。精密部品は、寸法安定性を保つため、発泡スチロールを挟んだ真空密封包装です。ラベルには、グレード、磁化方向、数量、バインダーの種類、保管条件（「乾燥した環境で保管し、80℃を超える温度を避けてください」）が記載されています。輸送梱包には、移動を防ぐため仕切り付きの段ボール箱を使用します。焼結NdFeBに比べて磁束密度が低いため、磁気シールドはほとんど必要ありません。

よくある質問

· 磁化: 多極磁化できますか? はい、等方性結合 NdFeB は、あらゆる方向で均一な磁気特性を持つため、多極磁化 (例: 8 極/12 極のリング磁石) に最適です。

· 温度感度：高温下での性能は？バインダーの種類によって限界が異なります。ナイロン（80～120℃）、PPS（150～200℃）。限界を超えるとバインダーの劣化を引き起こしますが、不可逆的な減磁にはつながりません。

· 機械的強度：脆いですか？焼結NdFeBより脆くはありませんが、それでも慎重な取り扱いが必要です。射出成形グレードは圧縮成形グレードよりも耐衝撃性が高くなります。

· 設計の柔軟性: どのような形状が可能ですか? 射出成形により、焼結磁石では実現できない複雑な形状 (ギア、ねじ、アンダーカット) を実現できます。

· コスト: 焼結ではなく接着を選択する理由は何でしょうか? 大量生産時のツールコストの削減、二次機械加工の排除、複数の機能を統合する機能により、全体的な製造コストが削減されます。